森永製菓の創立者・森永太一郎は、宣教師からキャラメル製造法を学びました。天使印をつけ、『西洋カラメル』と称して、車の引き売りを始めました。成功、大成功で巨富を得ました。しかし、よからぬほうに走って、おのれを失ない、神をも見失ないます。ふところはふくらむいっぼう、霊魂はやせ、かれた。やがて、目がさめて、わが身についた一切をかなぐり捨て、貧民窟のドブ板を踏んで、横丁から横丁へ、路傍伝道に生命をかけた。
「罪人の首・森永太一郎」
と大書した幟(のぼり)を立てて、身をささげ、施しをして、人生の最后を飾りました。身がスッカラカンになって、今一度本来の自分を再発見しえたのです。
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